2012年9月3日月曜日

起業して一年が経ちました

僕がGoodpatchを立ちあげて一年が経ちました。

感慨深いですね。

会社を一年続けるというのは思っていたよりも大変な事でした。でも何とか支えてくれた様々な方々のお陰で1年という節目を無事に迎えることができました。本当に関わってくださった皆さまには感謝してもしきれません。

最近はというと
8月に入ってからスタッフが一気に増え、最近までたった一人しかいなかった事務所が人が多い時には座れないくらいになっている状況です。お仕事の依頼も6月くらいから増え始め今はスタッフも足りない状態になっており週半分くらいのコミットで優秀なフリーランスの方々に手伝ってもらいながらなんとか案件を回しております。

この半年は非常に苦しかった
さて、このように最近はとても忙しくさせていただいておりますが、つい最近まではブログには書いてませんでしたが実はグッドパッチは非常に苦しい状況でした。起業してからこの1年の僕の心境を図で表すとこんな感じ、起業からずっと急降下。起業前に設立パーティーで100人を越える人達から送り出してもらったのが絶頂期でしたね。

約半年前にもこのようなブログを書いてますが
起業して半年間、会社はあまりうまくいってませんでした。起業して3つの事業を掲げすべてが中途半端になり一回全部捨て、今年の3月に事業をUIのみに絞りました。やることを絞り心機一転もう一度立て直そうと気持ちを新たにしたのですが、しかしこのブログを書いた後さらに状況は悪くなりました。

4月たった一人に
実はブログでは書いてませんでしたが、3月に会社を一緒に立ち上げた元取締役の谷がグッドパッチを辞めました。これはモメたとかではなくお互いの未来の事を考え、谷がもっと大きなチャンスの方に挑戦するというのを僕も応援する形でグッドパッチを辞めるのを了承しました。ケンカ別れではないとは言え、自分より技術のある谷を失うのはもちろん相当な痛手で4月以降の売上見込もなく、他にも色々とあり一度は会社を辞める事も頭をよぎりました。その時点でのキャッシュは残り3ヶ月くらい、7月にはキャッシュアウトするくらいでした。

この時に結局続けるという決断をしたわけですが、もちろん家族の支えやもありましたが、当時の心境は「こんな事で辞めてたまるか!」というような反骨精神というか意地みたいなモノが大きかったように感じます。


この時期は周りの人にも大分心配されていたんじゃないかなと思います。でも僕は逆にこの出来事でケツに火が付きましたし、おそらくこれから先も振り返った時に起業家人生で一つのターニングポイントになっていると思います。

たった10坪の事務所で0からのスタート
そういう状況の中で先輩経営者のアドバイスもあり4月から秋葉原にオフィスを借りました。今までCoworkingを立ち上げようとしていた人間がCoworkingに入らずに事務所を借りるというのも変な話ですが、ちゃんと企業としての信用を持ってもらうには事務所で腰を据えてやっているというのは大企業や銀行との取引の時には必要だとアドバイスもあり、自分としても今の状況を変えたいと思いなけなしの預金を使い事務所を借りました。起業した時に掲げた事業もUI以外すべて捨て、取締役も自分だけになり、本当にすべて0からのスタートでした。

初めて借りた秋葉原10坪の事務所
チーフデザイナー衣川のジョイン
事務所を借りて再スタートしたもののUI事業をやる以上やはりデザイナーは必要でした。しかし、東京にはまだまだデザイナー人脈はまだまだ少なく、大手もデザイナー採用に力を入れている、さらにうちのこの状況ではデザイナーを雇うというのは非常に厳しい、しかも僕も次に雇う人は絶対に自分の信頼のおける人でなくてはいけないと思っており、僕は頭を抱えました。そういった中で僕を助けてくれたのが、デジハリの同級生で前職の同僚でもある衣川でした。衣川は起業当時から別の会社で働きながらもグッドパッチの仕事を土日や平日の深夜などを使って手伝ってくれているデザイナーでした。実はグッドパッチのロゴもGunosyHUB TokyoのTOPデザインなども衣川のデザインです。
僕も彼の様なデザイナーが入ってくれると本当に力強いと思っていたのですが、大きな問題がありました。彼は大阪に住んでおり家族もいるので大阪を離れることは出来ないのです。さらに彼は前職の僕の会社を辞めるために転職活動をしていたのですが、すでに一社内定をもらっている状況でした。彼にこの数カ月の状況を話し、デザイナーが必要だという相談をしました。遠隔でもいいから手伝って欲しいと。すると彼はなんと内定していた会社を蹴ってグッドパッチにフルコミットすることを決めてくれたのです!給料も少なく、先も全く見えない、さらに遠隔での仕事となるグッドパッチに。普通に考えたら出来ない判断です。
この苦しい状況でグッドパッチに入ってくれた衣川には本当に感謝しています。こうしてグッドパッチは第一号社員を迎えることになりました。

どん底の状況から徐々に
デザイナーを採用し、僕は一気に仕事を取りに行く体制になりました。受けれる仕事はなんでも受け、クラウドワークスなどのサイトからUIに関わる案件にはどんどん応募して仕事を取りにいきました。Webサイトも刷新し、UIと言えばグッドパッチというブランド作りに力を入れました。
そんな中、たまたまデザイナーとして参加したStartup Weekendで優勝を勝ち取ったのです。
Startup Weekend Tokyoで優勝しました! 

このあたりから徐々に状況は好転して行きました。

Gunosyが話題になる
6月にグッドパッチがUIを手伝っているGunosyがStartup Datingの記事で取り上げられ、それがバズり一気に話題になりました。
[インタビュー]情報の新しい流れをつくりたい–東大のエンジニア集団が立ち上げた次世代マガジンサービスGunosy

そこからグッドパッチの状況は本当に一変しました。Gunosy経由で様々な企業からUIの相談が大量に来たのです!小さい企業だけではなく、本当に誰もが名前を知っているような大きな企業からもUIの仕事の話が舞い込むようになり、一気に忙しくなりました。数ヶ月前からは考えられないうれしい悲鳴でした。

たった一人だった事務所が・・
仕事の引き合いがかなり来るようになり、人が足りなくなり求人を掛けました。求人媒体ではなかなか良い人は集まらなかったので、知り合いの伝手などから紹介してもらったり、フリーランスの友人に週の半分くらいをコミットしてもらい事務所に来てもらうようにして何とか仕事を回すようにしました。

すると4月はたった一人だった事務所がこんなに人があふれるようになりました。

 
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あの4月のどん底の状況を考えると本当に信じられない。。

この1年を振り返り

振り返ってみるとあの状況から今普通に会社を続けていられるのが未だに信じられないのですが
うまくいかなかった期間と最近を比べて明確に変わったことが3つあります。
・やることを徹底的に絞った
すでに書いてますが、他の事業を捨てた時点でUI以外のことはほぼ考えなくなりました。取る情報も基本UIデザインのことのみ。やることを絞ったというのは基本戦略ですが本当に重要なことですね。
・イベントに出なくなった
この業界は本当にイベントが多くて起業した当時は人脈を増やすために週に3回くらいはイベントに出ていたように思います。しかし、この数カ月はイベントにはあまり出なくなりました。まあ正確に言うと出るイベントを絞ったという感じですね。人脈とかではなく自分にとって意味のないイベントは出なくなりました。
・一人で考える時間を増やした
まあこれは不可抗力ですがw一人で考える時間が本当に増えました。そういう時間で会社の今後について考えることができたのは良かったですね。


起業して9ヶ月くらいの期間は本当に苦しかった。でも、やはり振り返ってみて思うのは色んな意味で追い込まれたあの時期が自分が一番成長した時期だったなと。あの時僕に起こった色々な出来事は神様が与えてくれた一つの試練だったんだなと。


逆境、それはその人に与えられた尊い試練であり、この境涯に鍛えられてきた人はまことに強靱である。
-   松下幸之助

もちろん自分一人で乗り越えたわけではなく、もちろん支えてくれた家族や一番どん底の時に会社に入社を決めてくれた衣川やこの数カ月のしんどい時期に周りで助けてくれた友達や仲間には本当に感謝しています。僕もこの数カ月を経験して人が最も苦しい時に手を差し伸べられる人間になろうと思いました。

グッドパッチのセカンドステージ
4月にたった一人だったのが10月からはグッドパッチは社員・アルバイト・インターン含め8人になりいよいよ会社として攻めていく体制ができつつあります。現在、社運を賭けたビッグプロジェクトも動いており、なかなかおもしろい事ができそうです。
2期目は企業としてのさらなる足場固めと自社サービスへの投資も少しずつはじめて行こうと思っております。非常に楽しみな2年目となりそうです。

2期目を迎え初の集合写真


グッドパッチのセカンドステージを一緒に作ってくれる仲間をまだまだ募集しています。
UIが大好きなデザイナー、ディレクターやプログラマーなどコンタクトをお待ちしております。まだ創業して1年で成長の伸びしろしかないこのグッドパッチを一緒に創っていきませんか?
tsuchiya[at]goodpatch.co
株式会社グッドパッチ Webサイト







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